Android の fastboot モードとは? 入り方・使い方・抜け方
fastboot(ブートローダー)モードとは何か、adb やボタン操作で Pixel、Xperia、Xiaomi、OnePlus、Motorola などを fastboot モードにする方法、基本コマンド、fastboot モードから抜ける方法を解説します。
fastboot モード(ブートローダーモード とも呼ばれます)は、Android が読み込まれる前にスマホが起動できる小さな画面です。ここからパソコンは fastboot というツールを使って、システムイメージの書き込み、ブートローダーのアンロック、テスト用イメージでの起動などを行えます。必要になるのは主に、ファクトリーイメージの書き込み、カスタムリカバリーの導入、起動しなくなったスマホの復旧といった場面です。
fastboot は ADB とは別物です。ADB は動作中の Android と通信し、fastboot は Android が動いていないときにブートローダーと通信します。どちらも Google の Android SDK Platform-Tools に含まれています。違いについては ADB とは で詳しく説明しています。
方法 1: ADB から入る(いちばん簡単)
スマホが普通に起動していて、USB デバッグがオンの場合は次を実行します。
adb reboot bootloaderスマホが再起動し、そのまま fastboot モードに入ります。Android 10 以降には adb reboot fastboot もあり、こちらは fastbootd に入ります。fastbootd はリカバリーの中で動く fastboot モードで、新しいスマホの動的パーティションに書き込むときに必要です。違いは ADB reboot: リカバリー、ブートローダー、fastboot、ダウンロードモード で解説しています。
ADBKit でも、画面の横にある電源メニューから Boot modes › Bootloader / fastboot を選べば同じことができます。スマホが Android を抜けると ADB の接続は終了し、ADBKit は fastboot コマンドを実行しないので、その先は fastboot ツールで作業してください。
方法 2: ボタン操作で入る
スマホが起動しない場合や USB デバッグがオフの場合は、ボタンを使います。まずスマホの電源を完全に切り、fastboot の画面が表示されるまで下のキーを長押しします。
| メーカー | ボタン(電源オフの状態で) | 表示される画面 |
|---|---|---|
| Google Pixel | 電源 + 音量ダウン | ブートローダー画面に赤字で「Fastboot Mode」 |
| Xiaomi、Redmi、POCO | 電源 + 音量ダウン | Android のロボットを修理するうさぎと「FASTBOOT」 |
| Motorola | 電源 + 音量ダウン | ブートローダーのメニュー |
| OnePlus | 最近の機種は電源 + 音量アップ + 音量ダウン、古い機種は電源 + 音量アップ | 「Fastboot Mode」のメニュー |
| Nokia | 音量ダウンを押しながら、パソコンにつないだ USB ケーブルを挿す | fastboot の画面 |
| Sony Xperia | 音量アップを押しながら、パソコンにつないだ USB ケーブルを挿す | 青い通知ランプ(画面表示なし) |
| Samsung | fastboot モードなし | 代わりに ダウンロードモード を使う |
ボタンの組み合わせは機種や年代によって変わります。うまくいかない場合は、メーカーのサポートサイトでお使いの機種を確認してください。ケーブルを挿してからでないとブートローダー画面が表示されない機種もあります。
パソコンがスマホを認識しているか確認する
スマホを fastboot モードにして USB でつないだ状態で、次を実行します。
fastboot devicesシリアル番号のあとに fastboot と表示されれば成功です。何も表示されない場合は次を確認してください。
- Windows: Google USB Driver(Pixel の場合)またはメーカーのドライバーをインストールします。ドライバーがないと、
fastbootは< waiting for any device >のまま待ち続けます。 - Linux: スマホ用の udev ルールを追加するか、
sudo付きでコマンドを実行して権限の問題かどうかを確認します。 - 共通: 別のケーブルを試し、ハブではなくパソコン本体の USB ポートに挿します。USB 3 のポートでだめでも USB 2.0 のポートなら動くことがあります。
fastboot の基本コマンド
| コマンド | 動作 |
|---|---|
fastboot devices | fastboot モードのスマホを一覧表示 |
fastboot getvar product | デバイスのコードネームを表示 |
fastboot getvar unlocked | ブートローダーがアンロックされているかを表示 |
fastboot reboot | Android を再起動 |
fastboot reboot bootloader | もう一度 fastboot モードで再起動 |
fastboot flashing unlock | ブートローダーをアンロック(全データ消去) |
fastboot flash <partition> <file.img> | パーティションにイメージを書き込む |
すべての getvar に応答する機種ばかりではありません。また、独自のアンロック手続きを使うメーカーもあります(たとえば Xiaomi では専用のアンロックツールと待機期間が必要です)。
書き込む前に知っておきたいリスク
- ブートローダーをアンロックするとデータが消えます。 アプリ、写真、ファイルがすべて削除されます。先にバックアップを取ってください。
- アンロックしたブートローダーはセキュリティが下がります。 一部の銀行アプリや Google ウォレットが使えなくなり、起動のたびに警告が表示されます。
- 間違ったイメージを書き込むと、スマホが起動しなくなることがあります。 お使いの機種と地域向けに作られたイメージだけを使ってください。
- 保証: アンロックを保証対象外とみなすメーカーもあります。
様子を見るだけなら、fastboot devices、getvar、reboot は無害です。
fastboot モードから抜ける方法
- パソコンから:
fastboot reboot - Pixel、Motorola、OnePlus のメニュー: 音量キーで Start(または Reboot)を選び、電源ボタンを押します。
- Xiaomi の FASTBOOT 画面: スマホが再起動するまで電源ボタンを 10〜15 秒ほど長押しします。
- それでも抜けない: 電源と音量ダウンを同時に 15 秒ほど長押しします。ほとんどのスマホが強制再起動します。
毎回 fastboot モードに戻ってしまう場合は、Android 自体が壊れている可能性があります。その場合は、お使いの機種の公式ファームウェアを書き込み直すか、メーカーの修復ツールを使うのが復旧への道です。